昔、円明寺(現在の54番札所延命寺)の鐘は、その音色のよさで有名でした。 その噂をかねてより聞いていた長宗我部軍の兵士たちは、ある時、お寺の鐘を略奪しました。 船に乗せ海上に出た時、鐘は独りでに鳴り始め、その音は 「いぬる いぬる」(帰る、帰る) と聞こえたという。 たたりを恐れた兵士たちが岸に戻ろうとした時、突然船が傾き鐘は海に転がり落ちてしまいました。 鐘が自分で略奪を拒んだのであろうと言われています。 延命寺にある現在の鐘は、2代目となる鐘で市の指定文化財で寺宝となっています。