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阿闍梨 空海

8月10日に、阿闍梨の位を授ける伝法灌頂を恵果は空海におこないました。
阿闍梨の位は、密教世界における王位ともいうべきものでした。

「御遺告」によれば、6月に青竜寺に入って8月の阿闍梨の伝法灌頂までの3ヶ月間に空海は4つのことを同時にやっていました。

【1】灌頂を受けつつ、【2】密教の二つの系譜の秘密(象徴)をことごとく学び、【3】根本経典等200余巻を読み、【4】教に関する漢文訳と原文を対照しながら読んだのです。

空海は、これらすべてを僅か3ヶ月間で習得したのですから驚きです。

密教の秘法を空海に授け終わった恵果は、帝室の画工である李真ら10余人に胎蔵界・金剛界等の曼荼羅を描かせ、20余人の写経生に密教関係の経典を写経させ、宮廷の技芸員ともいうべき楊忠信などに依頼して密具や法具をつくらせ、空海に与えました。

さらに、金剛智→不空→恵果と伝えられてきた密教正嫡を証明する八種のしるしと、恵果自身が使用していた5点の品々を伝法の副次的なしるしとして空海に授けています。

無名の一留学生として入唐した空海は、この短い期間で、国家の後ろ盾もないまま、一個人として、世界でただ一人の密教の正嫡阿闍梨となり、密教をまるごと「請益」して帰ることになるのです。

伝法をはじめ、前述した様々な品々を、空海は、恵果から一個人としてゆずりうけたのですが、写経や絵画・法具の調製には経費が発生します。
不足分は恵果が補ったと考えられていますが、空海はこの厖大な品々を、一文も国家の経費に頼ることなく、一個人で謝礼という形ではありますが、経済的苦痛を伴いながら「買って」いるのです。

国務と国費で天台宗を導入した最澄らと比べると、空海は私費と自力だけで純粋密教を導入した強運と才能の持ち主といえるでしょう。



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