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四国昔話八十八ヶ所巡り
人面石  香川県三豊市・鳥坂峠

むかし昔、鳥坂(とっさか)のあたりは、荒れ果てた土地じゃった。

ある時、村人達がこの鳥坂あたりを開墾しようということになった。
開墾というても、むかしのことじゃ、石を運ぶにしても木を切り倒すにしてもそれはそれはたいへんじゃ。

ちょうどその頃、このあたりにとてつもなく大きな男が住んでおった。
村人達はこの大男に手伝ってもらおうと頼みに行った。
もともと親切な大男は喜んで承知したそうじゃ。

こうして開墾が始まったのじゃが、この大男がよく働く。
ひとかかえもある大きな石を片手で持ち上げるし、木もすぐに切り倒す。
おかげで荒れ放題の土地が、あっという間に田畑になったそうじゃ。

村人達はたいそう喜んで、お礼のしるしにとれた作物の3分の1をその大男にもっていくようになったそうじゃ。
開墾が終ってなにもする事がなくなった大男は、毎日岩の間に寝転んで村人達の持ってきてくれる食べ物で暮らしておったそうじゃ。

ところが、ある年、ひどい日照りが続いて、村では作物が取れず、みんな草や木の根っこなんぞをかじって飢えをしのいでおった。
もちろん、大男のことろへ持っていく食べ物などなかった。

大男は毎日あちこち歩き回って食べ物を探したが、なにせ体が大きいので少々の食い物では全く足らない。
こうして大男は、いよいよ動くこともできんようになって、飢え死にしてしもうた。

それが不思議なことに、死んだ大男の体はどういうわけか顔だけが石になってしもうた。
村人達はいつしかこの石を「人面石」と呼ぶようになって、怖がって誰も近づく者はおらなんだそうじゃ。

今でもこの石は、大男の死んだと伝えられている山の中腹に残っておるということじゃ。



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